Gitzo GH1781QRとは
GH1781QRは、ジッツォの新バサルト三脚に合うマグネシウムのボール雲台です。
ジッツォのサイトから引用すると「「スプリングアシストダブルロック」や空洞状の「バブル・ボール」、軽量なマグネシウム製外殻により、高い最大耐荷重と円滑性を実現し、ロック時のズレも最小限に抑えられています。 また、クイックリリースのベース上に3つ、ボール軸上に1つ水準器を備え、カメラの向きにかかわらず水平を設定しやすい設計となっています。」とのことです。
素材はマグネシウム、耐荷重は10キログラム、重量は350gです。
デザイン・質感

まず手にしてみての印象は、意外と軽い、というものです。これで耐荷重10キログラムというのは驚くべきものがあります。ボールが空洞状になっていることと、マグネシウムによる軽量化の賜物でしょう。
外観に関して言えば、まず、目につくのはオレンジ色のツマミ部分です。これまでのジッツオの三脚や雲台は黒一色といった感じだったのですが、新バサルト三脚に合わせてオレンジ色がアクセントカラーとなっています。ここでも新バサルト三脚Gitzo GT1830につけて使用しています。

デザインの善し悪しの判断は人によって異なるでしょうし、また、雲台や三脚にデザインなどどうでもいいと思う人もいるかも知れませんが、個人的にこのデザインは非常に優れていると思います。

実物の質感は非常にすばらしく、高級感があります。
操作性・安定性
デザインが非常に素晴らしいだけではなく、操作性にも優れています。というよりか、実用性を追求して言ったらこの形になったといわれれば、なるほど、と納得出来るほど扱いやすくなっています。
まず、ツマミ(Ball Lock)部分がかなり大きいです。滑らないように溝が刻んでありますが、大変操作しやすいです。ツマミの回転もスムーズで、無理な力は必要とせず、かといって軽すぎるということもなく、ちょうどいい重さになっています。見ての通り単なる円筒形ではなく角度がついていますが、この傾斜のおかげでとても回しやすくなっています。このツマミはほかの自由雲台と比べても操作しやすいものだと思いました。
クイックリリース(クイックシュー)の着脱もスムーズで簡単に行え、なおかつ非常に安定しています。クイックリリースの締め付け具合も細かく調節することが可能です。
いい雲台は簡単に言えば「スムーズに動きピタっと止まる」雲台であると言えると思います。余計な力を必要とせず、なおかつしっかり止めたいところで止まり、止まった後は不安を感じさせないのがいい雲台です。この点、このGH1781QH雲台はほとんど完璧にに近い性能を持っています。私がこれまで使ってきた雲台と比較しても最高に良いと思います。
ややグレードの落ちる雲台であるとノブを締め上げる(ロックする)ときにカメラがわずかに動いてしまったり、あるいは微妙な調節をするときに動かしたいだけ動かない、止めたいところで止まらない、ということが起こるのですが、この点関してこのGH1781QR雲台は完璧に止まって欲しいところでピタリと止めることができる、と言えます。一言で言ってストレスを感じさせない雲台です。

ペンタックス67と165mmレンズという3.5キロほどの組わせで使ってみました。これでもスムーズに固定が可能で、いったん固定すると非常に安定感があります。
まとめ
雲台としての性能は最高レベルで、デザインや質感も最高レベルにあると断言できます。他社の同レベルの雲台と比較したときに明らかにマイナスとなるのはおそらく価格だけでしょう。
スリックやベルボンといった日本の三脚メーカーや、ベンロなどのメーカーなどからも競合となるボール雲台(自由雲台)は多く出ており、比較すると雲台としての基本的な性能に関していえばそれほど大きな差異は感じられません。そして、価格はジッツォより安いです。しかし、圧倒的に差があると思うのはその物としての魅力、そして細かい部分での操作性の違いでしょう。
まず、デザインは言うまでもなく、触った時の指に感じる質感などは他社のものとは一線を画すものであるとはっきりということができます。
もうひとつは細かい操作性の違いです。たとえば、前述したようにツマミは絶妙な傾斜がついて操作しやすいのですが、他社の自由雲台のツマミでこのようになっているものはあまり見かけません。このような細かい部分の違いは使い続けていくうちに大きなものに感じられてくるのではないかと思います。
「様々な三脚をつかっていって最後はジッツオにたどり着いた」などという話を聞きますが、なるほど確かに操作性・安定性も抜群でデザインも洗練された非常に素晴らしい製品であると感じました。

袋、説明書のほか、ストラップも付属していました。